2007 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎障害における脂質転送蛋白と脂質応答性転写因子の抗炎症・抗線維化作用の解析
Project/Area Number |
19590944
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 秀樹 University of Fukui, 医学部, 准教授 (20283187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 治義 福井大学, 医学部, 教授 (80135574)
藤井 博 信州大学, 農学部, 教授 (90165340)
広田 喜一 京都大学, 医学系研究科, 講師 (00283606)
菅谷 健 東京歯科大学, 歯学部, 客員講師 (40381561)
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Keywords | グルココルチコイド受容体 / ミネラロコルチコイド受容体 / ハイドロコルチゾン / デキサメサゾン / PAI-1 / VEGF / 低酸素 / 脂肪酸結合蛋白 |
Research Abstract |
1. 低酸素刺激下でのGR(グルココルチコイド受容体)、MR(ミネラロコルチコイド受容体)、PAI-1、VEGFの発現の解析 培養ヒト近位尿細管上皮細胞(HPTEC)において、GRのmRNA発現と蛋白発現を確認した。低酸素下では、GR mRNA量は有意に変化しなかった。イムノブロット法によるGR蛋白量、MR蛋白量も低酸素下と正常酸素下で変化はなかった。低酸素刺激は、PAI-1発現とVEGF発現をmRNA量でも培養上清蛋白量でも、2-4倍へ有意に増加した。 2. GRアゴニストのGR、PAI-1、VEGF、L-FABP発現への影響の解析 1)DEXA(1μM)では、GR mRNAが増加する傾向を示した(P<0.08)。GR活性化薬のHC(1μM)は、PAI-1mRNA量を刺激後6時間をピーク(4倍)に48時間まで(2倍)、有意に増加した。HC(1μM)は上清PAI-1蛋白量を有意に増加した(2.5-4倍)。DEXAも、0.1μMをピーク(2.7倍)に10μMまでPAI-1発現を増強した。また、HC(1μM)は、低酸素誘導性のPAI-1発現をmRNA量(1.7倍)でも蛋白量(2.3倍)でも、さらに有意に増強した。正常酸素下のHCのPAI-1発現誘導作用は、1μMのGR特異的阻害薬(U-486)で完全に抑制され、2μMのMR阻害薬(スピロノラクトン)では抑制されなかったため、GR依存性と考えられた。HCのPAI-1発現増強作用は、genisteinで部分的に抑制されたため、一部チロシンキナーゼの活性化を介するものと考えた。VEGF発現については、HC(1μM以上)、DEXA(0.1μM以上)ともにその発現を抑制した。HCは、低酸素誘導性のVEGF発現もmRNA、蛋白質レベルで抑制した。HCのVEGF発現抑制作用はGR非依存性であった。 2)肝型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)のmRNA発現は、DEXA(1、5μM)により有意に抑制(41%と56%)された。
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Research Products
(4 results)