2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼネクシン1による血圧・ナトリウム代謝制御の分子基盤の解明および創薬
Project/Area Number |
19590958
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
實吉 拓 Kumamoto University, 医学部附属病院, 医員 (80398205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 公夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40114772)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究の目的はプロテアーゼネクシン1(PN-1)による血圧・ナトリウム代謝制御の分子基盤の解明及び創薬を行うことである。具体的には、最初に培養細胞系においてPN-1のNa輸送に関わる重要性を明らかにした上でPN-1欠損マウスを用い、これに食塩負荷を行い、食塩感受性高血圧の発症や進展の有無を明らかにすることである。 PN-1の全長 cDNA を発現ベクターに挿入し、マウス集合尿細管培養細胞(M-1細胞)にトランスフェクションさせることによりPN-1遺伝子の一過性過剰発現モデル細胞を作製した。抗PN-1抗体を用いてPN-1蛋白が細胞膜分画、培養液中に発現し、プロスタシン蛋白と複合体を形成していることを確認した。この細胞を半透過フィルター上に培養して細胞間に流れるNa電流を電圧-抵抗測定装置により測定し、PN-1過剰発現によりNa電流が有意差を持って減少することを確認した。M-1細胞においては上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)がNa電流を規定しており、prostasinのinhibitorであるPN-1の過剰発現によりENaCの活性化因子であるprostasinが抑制され、Na電流が低下したと考えられた。 また、PN-1ホモ欠損マウスは正常マウスと変わりなく生育し、明らかな形態以上がないことがわかっているが、血圧の変化やNa代謝異常についてはまだ検討されていない。そこでこのマウスに高塩食負荷群と低塩食負荷群をおき、食塩感受性高血圧の発症や高血圧進行の程度に差異があるか検討することとしていたが、現在、PN-1ホモ欠損マウスを入手し飼育開始した段階である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 12007
Author(s)
脇田 直樹
Organizer
日本腎臓学会学術総会
Place of Presentation
静岡県浜松市
Year and Date
2007-05-26