2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼネクシン1による血圧・ナトリウム代謝制御の分子基盤の解明および創薬
Project/Area Number |
19590958
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
實吉 拓 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (80398205)
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Keywords | 高血圧 / プロテアーゼ / プロスタシン / 上皮型Naチャネル / 治療 |
Research Abstract |
本研究の目的はプロテアーゼネクシン1(PN-1)による血圧・ナトリウム代謝制御の分子基盤の解明及び創薬を行うことである。具体的には、最初に培養細胞系においてPN-1のNa輸送に関わる重要性を明らかにした上でPN-1欠損マウスを用い、これに食塩負荷を行い、食塩感受性高血圧の発症や進展の有無を明らかにすることである。 前年度の研究で、マウス集合尿細管培養細胞においてPN-1遺伝子の過剰発現が、Na電流を抑制することを示した。すなわちPN-1により上皮性Naチャネル(ENaC)の活性化因子であるprostasinが抑制され、Na電流が低下した可能性が考えられた。 次に、PN-1ホモ欠損マウスは正常マウスと変わりなく生育し、明らかな形態以上がないことがわかっているが、血圧の変化やNa代謝異常についてはまだ検討されていない。そこでこのマウスに高塩食負荷群と低塩食負荷群をおき、食塩感受性高血圧の発症や高血圧進行の程度に差異があるか検討した。高食塩食投与前の血圧は両群間に相違を認めなかった。8週間の観察期間で両群において血圧の明らかな上昇を認めたが、両群問に血圧の相違を認めなかった。また、尿中Na排泄量にも量群間で差を認めなかった。また、両群の腎を摘出しRNA、蛋白を回収した。ProstasinやENaCのRNAや蛋白発現の比較をreal-timePCR法やウェスタンプロッティング法を用いて行ったが、両群間に相違は認めなかった。 以上のように動物モデルではPN-1の有無により、血圧に差異を認めなかった。
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Research Products
(1 results)