2007 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎疾患コホートにおける機能分子に関するプロテオーム解析
Project/Area Number |
19590967
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
横山 仁 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (50191531)
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Keywords | 腎臓病 / 移植腎 / 疾患コホート / サイトカイン / ケモカイン / 細胞間接着因子 / 機能分子 |
Research Abstract |
本年度の目標とする腎炎・ネフローゼ症候群ならびに移植腎症の疾患コホートとして,北陸地区において金沢医科大学ならびに関連施設において診断・治療が実施されたネフローゼ症候群(15例),ループス腎炎(31例),急速進行性腎炎症候群(半月体形成性腎炎)とくにpauci-immune型腎炎(22例)ならびに移植腎症(120例)を対象とする疾患コホートの臨床病理学的所見を中心としたプロファイルを作成した. さらに,作成したコホート症例のこれまでの臨床所見に関して,後向き(一部,前向き)調査を実施した.それぞれの疾患コホートの腎機能予後に関して,測定指標を用いた多変量解析を実施し,各因子の腎機能ならびに生命予後に関する解析をにより,ループス腎炎における病理組織分類との関連ならびに移植腎におけるスタチンによる腎機能改善効果が確認された. また,臨床病理学的診断における細胞内シグナル伝達分子・免疫担当細胞ならびに病変部血管の意義について,本年度に施行した腎生検組織を用いた病理ならびに免疫組織学的検討を作成したコホート症例において実施した.生検組織の糸球体ならびに間質病変に関して画像解析装置を用いたスコア化ならびに特異的抗体を用いた免疫組織化学法により免疫担当細胞(マクロファージならびにTリンパ球)と間質線維化と関連するcirculating fibrocytesの浸潤とHigh endothelial venule(HEV)様血管を検討した.移植腎における虚血再灌流後の白血球浸潤と細胞間接着因子,とくにL-selectin ligand発現が確認された.一部では,組織線維化に先行した急性期にfibrocyteの浸潤も認められた.以上より今回作成した疾患コホートを用いて経時的な臨床観察ならびに既知の分子発現を解析するとともに新たな機能分子の検討を行う試料が収集された.
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