2007 Fiscal Year Annual Research Report
心血管病危険因子としての慢性腎臓病の基盤病態の統合的理解と治療法開発
Project/Area Number |
19590969
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
柏原 直樹 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (10233701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 則夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40368626)
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70449891)
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Keywords | アルブミン尿 / 一酸化窒素 / 酸化ストレス / 2光子レーザー顕微鏡 / 内皮機能障害 / 糖尿病性腎症 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
1)腎内微小血流動態と微量アルブミン尿出現機構を解析するための基盤技術の確立 (1)生体腎における微小血管構築変化、血流、濾過の可視化技術確立 2光子レーザー顕微鏡、蛍光標識probeを用いて生体腎における輸出入細動脈経変化、微小血管血流、濾過、再吸収、病的状態下でのpermeability充進を可視化検出しうる技術を確立した。 (2)病態モデルにおける単一ネフロンレベルの透過性変化、アルブミン尿の検出 STZ糖尿病モデルで輸入細動脈拡張と一部の肥大糸球体からmaclomoleculeの濾過を認めた。尿中アルブミン排泄を認めない早期から、肥大糸球体がhyper-permeable状態にあることが判明した。アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)によってmaclomoleculeの透過性充進改善を可視化検出した。 2)微量アルブミン尿出現のメカニズムの解明:内皮機能障害との関連の解明 STZ糖尿病モデルにおいてアルブミン尿出現と同時に大動脈レベルでの内皮機能障害、酸化ストレス充進とNO低下を認めた。糸球体および大動脈内皮細胞におけるBH4低下とこれによるeNOSuncouplingを認めた。BH4補給によりeNOS uncoupling改善と同時にアルブミン尿の改善、大動脈内皮機能障害改善を認め、3者の関連が示唆された。ARBでも同様の結果を得た。メタボリックシンドロームモデル(ZOR)においても糸球体、大動脈レベルの内皮機能障害、eNOS uncoupling、アルブミン尿を認め、PPAR-γagonistによってこれらの改善を認め、インスリン抵抗性と内皮機能障害、アルブミン尿との病因上の連関が示された。
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Research Products
(4 results)