2008 Fiscal Year Annual Research Report
BMP/ALK/Smad1の解析による糸球体硬化症機構解明とバイオマーカーの同定
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19590973
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安部 秀斉 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60399342)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / コラーゲン / BMPs / Smad1 / ALK1 / バイオマーカー / 分子病態 / メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
1.樹立したSmad1過剰発現マウスにSTZを投与し、糖尿病を誘導し、腎症におけるTGFβ-ALK1-Smad1およびBMP2/4-ALK3/6-Smad1両経路に関わるSmad1関連分子の発現を解析した。これらは病変形成過程で活性化と発現増強が認められ、腎症進展における役割が明らかとなった。 2.早期腎症モデル動物における各バイオマーカーの測定の検討で上昇のみられた分子Smad1につき、リコンビナントタンパクを正常ないし糖尿病マウスに投与し、硬化の発症・進行を解析した。予想に反して、投与したSmad1は、血中から速やかにクリアランスされ、尿中排泄がみられないことから、血管構成細胞のいずれかにとりこまれるなどの反応がみられたと考えられる。現在、その機構を解明中であり、TGFβ-ALK1-Smad1およびBMP2/4-ALK3/6-Smad1の両経路に関わるSmad1関連分子の病変形成における新規の機構が解明されつつある。 3.早期腎症モデルであるSTZマウス、より強い硬化病変を有するiNOSトランスジェニックマウスの各々を用い、早期腎症から腎不全期に至るまで各病期における血中・尿中のBMPs/ALK1/Smad1の発現を、ELISAによる測定系を用いて検出・測定した。これら新規マーカーは腎病変の進展とよく相関し、治療判定における有効性もみられた。 4.前年度にクローニングしたSmad1発現調節因子の培養マウスメサンギウム細胞を用いたtransfectionによる過剰発現系、RNAiによるノックダウン法で、Smad1の下流で機能する、I型コラーゲン、SMAなど、腎病変形成に寄与している分子がScleraxisとId1による発現制御を介していることが明らかとなり、分子標的治療の候補分子として考えられた。
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Research Products
(5 results)