2007 Fiscal Year Annual Research Report
再生誘導因子を用いた神経前駆細胞賦活によるALS治療法の開発
Project/Area Number |
19590977
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 正志 Tohoku University, 病院 (70302148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 神経前駆細胞 / ニューロン新生 / 再生誘導因子 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis以下ALS)は神経疾患のなかで最も過酷な疾患とされており、早期に病因の解明と有効な治療法の確立が求められている。Cu/Zn superoxide dismutase(Cu/Zn SOD)遺伝子が一部の家族性ALSの原因遺伝子であることが発見されたが、Cu/Zn SODの異常がなぜ運動ニューロンに選択的な細胞死をもたらすかは依然として不明である。本研究ではこの変異Cu/Zn SODがもたらす神経変性の過程における内在性の神経幹(前駆)細胞の動態に注目し、本研究申請者の青木らが開発したトランスジェニックラットによるALSモデルを用いてALS病態下における脊髄神経前駆細胞の増殖と分化、特に「損傷誘導性ニューロン新生(insult induced neurogenesis)」の有無を検討した。発症後のトランスジェニックラットにEGFおよびFGF-2の同時に一週間髄腔内へ持続投与して、人工髄液のみを投与する対照群と比較した。その結果、対照群に比してEGF+FGF2投与群ではBrdU陽性の新生細胞が腰髄実質広汎にわたって有意に増加しており、未分化神経前駆細胞やグリア前駆細胞などの増殖促進が明らかとなった。FGF受容体はニューロンのみならず中心管周囲上衣層やグリア前駆細胞、アストロサイトに発現が確認され、前角細胞数に両群間の有意差がなかったことから、EGF+FGF2の前駆細胞への直接効果が示唆された。
|