2008 Fiscal Year Annual Research Report
シヌクレイノパチーに於ける神経細胞死の機序 : 細胞モデルに於ける検討
Project/Area Number |
19590978
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 篤 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70261534)
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Keywords | パーキンソン病 / シヌクレイノパチー / αシヌクレイン / 神経細胞死 / アポトーシス / 小胞体ストレス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
パーキンソン病の神経変性メカニズムを解明する目的で、野生型αシヌクレインと129番のセリン(S129)をアラニンで置換し同部位のリン酸化をブロックした変異(S129A)体を培養細胞(SH-SY5Y)に導入し過剰発現させる細胞モデルを作成した。さらにこの細胞にロテノンを低濃度長期間曝露し、αシヌクレイン凝集体形成や細胞死との関連を検討し以下の結果を得た。 (1) ロテノン曝露下、野生型αシヌクレイン過剰発現細胞ではS129A変異型に比し高い凝集体形成を認めた。 (2) 野生型α-S過剰発現細胞ではS129Aに比し高いcaspase-3陽性率が認められた。 (3) 野生型α-S過剰発現細胞においては著明な小胞体ストレスの誘導が認められたが、これはミトコンドリアの膜電位障害に先行していた。 (4) 以上から、αシヌクレインを介した細胞死には129Sのリン酸化が必要であり、また細胞死の経路として小胞体ストレスが重要な役割を果たしていることが強く示唆された。 今後、パーキンソン病の発症メカニズムに於いて鍵を握る分子であるαシヌクレインの病的代謝過程をさらに検討して行く予定であり、現在、主としてシヌクレインタンパク凝集体形成能との関連を中心に実験を進めている。
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Research Products
(4 results)