2009 Fiscal Year Annual Research Report
シヌクレイノパチーに於ける神経細胞死の機序:細胞モデルに於ける検討
Project/Area Number |
19590978
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 篤 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70261534)
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Keywords | パーキンソン病 / シヌクレノパチー / αシヌクレン / 神経細胞死 / アポトーシス / 小胞体ストレス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
前年度に引き続き、パーキンソン病の神経変性メカニズムを解明する目的で、αシヌクレインを培養細胞(SH-SY5Y)に導入し過剰発現させる細胞モデルを用いて細胞死のメカニズムを検討するとともに、ゲノムワイド関連遺伝子研究により、パーキンソン病に於けるリスク遺伝子としてαシヌクレイン遺伝子における変異を検出した。またパーキンソン病における脳代謝異常について検討し、シヌクレイノパチーとしてのパーキンソン病の臨床像について、その病態基盤の一端を解明した。 (1)パーキンソン病に関連したリスク遺伝子としてαシヌクレイン、LRRK2、その他の複数の遺伝子座を検出した。 (2)αシヌクレインの細胞毒性と家族性パーキンソン病の原因遺伝子であるLRRK2の相互作用を検討し、両者の共在下にミトコンドリア毒性が増強される事、その際にαシヌクレインのリン酸化が関連していることを示唆する結果を得た。 (3)軽度の認知症を伴うパーキンソン病患者に於いて、脳代謝異常の分布を検討し、側頭・頭頂・後頭葉の隣接域、頭頂葉内側域、側頭葉下方域等の代謝低下を認めた。 (4)パーキンソン病における性格変化、特に欺瞞行動をし難いと云う特徴について脳代謝異常の面から検討を加え、その基盤として前頭前野における糖代謝の低下と有意に相関していることを示した。 (5)パーキンソン病の嗅覚低下が広範な認知機能の低下と関連していることを解明し、それがαシヌクレイン病理の脳内での拡がりと関連することを示唆する結果を得た。
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Research Products
(5 results)