2007 Fiscal Year Annual Research Report
本邦に高頻度存在する脊髄小脳変性症に対する画期的免疫療法の開発
Project/Area Number |
19590981
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 欽也 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 講師 (30313240)
|
Keywords | 分子標的治療 / 脊随小脳変性症 / 神経難病 / 小脳 / 蛋白 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本年度、研究者は本邦に多く存在する常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症である脊髄小脳失調症6型(SCA6)の原因蛋白であるα1Aカルシウムチャネル蛋白を分子標的とする免疫療法の開発のための研究を行った。まず、既に作製した新規ポリクローナル抗体を用いて、本カルシウムチャネル蛋白の発現状況をウエスタンブロット法および免疫組織化学法により、患者脳で検索した。その結果、この抗体はSCA6患者脳でこれまでに研究者が報告してきた、小脳Purkinje細胞内に認められる2種類の形態的に異なった封入体(Ishikawa K. et al. Hum Mol Genet l999; Ishikawa K. et al. Neurology 2001)の両方を認識した。すなわち、これまでに報告してきた2種類の封入体は、1つの封入体の形成過程でみられる、形態的に異なる封入体であることが判明した。またウエスタンブロットでは、確かにこの抗体が認識する部分チャネル蛋白が凝集する傾向があることが判明した。この結果を現在投稿準備中である。さらに、研究者はこの分子を認識するモノクローナル抗体を作製した。この抗体などを用いて2年度は免疫療法の基本的実験を行う。 一方、全長α1A-カルシウムチャネル蛋白を導入したトランスジェニックマウスの作製に着手した。三重大学医学部動物実験施設との共同研究で、導入する遺伝子を神経細胞に特異的に発現する工夫を行った。初年度終盤に受精卵にマイクロインジェクション法で導入した。このため、2年度にその導入を確認する方針である。
|