2007 Fiscal Year Annual Research Report
CIDPにおける軸索障害機序の解明:Tag-1を中心に
Project/Area Number |
19590986
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 直樹 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (10402570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
山本 正彦 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (40378039)
小池 春樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80378174)
飯島 正博 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40437041)
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Keywords | CTDP / 軸索機序 / Tag-1 |
Research Abstract |
CIDPの治療反応性に関与する因子として軸策障害機序の合併が明らかになりつつある。 今年度は、本邦におけるCIDP症例の長期予後について臨床検査所見を中心に解析し、軸索障害機転との関連性を検討した。運動機能についてはoverall disability sum scaleを用いることで運動機能改善度と電気生理検査上の変動を罹病期間ごとに算出した。 その結果、運動機能改善度については罹病早期から改善傾向を示し、発症後3年未満については上下肢ともに60%以上の機能改善を示すことが判明した。一方で6年以上の長期罹病症例については多くに改善傾向は示すものの、改善率は鈍化傾向を示した。電気生理所見の改善は運動機能に遅れる形で認められ、6年未満まではMCV,CMAPとも改善を示すがその後の改善の程度は鈍化した。 罹病期間別の解析では、発症から運動障害のピークを早期に認めた群の割合は長期罹病に従い減少するのに対し、慢性進行型の占める割合が増加した。そこで急性〜亜急性型(6ケ月以内)と慢性進行型を群別化して臨床電気生理的特徴を解析した結果、慢性進行型は筋萎縮の合併が高頻度であり、CMAPsについても急性〜亜急性型に比べ有意に低値を示すことが判明した。本研究の契機となった治療反応性と軸索障害機転の合併以外にも、長期予後の観点からも軸索障害機転が重要であることが示されたことになる。 それ以外の成果として、第一次全国疫学調査による国内有病率・発症率の解析について本邦初の大規模調査に基づく疫学結果を国際ジャーナルに報告した。そのなかでCIDPの有病・発症率は、高齢にともない増加すること、国内分布については多発性硬化症でかつて推測された緯度(寒冷地)との関連性は特に認められないことを合わせて報告した。(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2008 Jan 25; [Epub ahead of print])
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