2008 Fiscal Year Annual Research Report
変異SOD1導入グリア細胞の運動ニューロン傷害機序と細胞内骨格の動態解析
Project/Area Number |
19590991
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
永井 真貴子 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80420488)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 運動ニューロン / アストロサイト / 胚性幹細胞 / 分化誘導 / SOD1 / Bax / レチノイド |
Research Abstract |
本研究の目的は、in vitroの系を用いてグリア細胞からのシグナルが運動ニューロンに与える影響を、明らかにることである。実験材料として変異SOD1(G93A)を導入したトランスジェニックマウス(筋萎縮性側索硬化症モデルマウス)およびコントロールマウスを用いた。生後1-2日のマウス脊髄を取り出し、トリプシン処理し細胞を培養、振とう培養を行い、混入したミクログリアが除去されたアストロサイトの初代培養細胞を得た。また別にマウス胚の脊髄から運動ニューロンを分離した。この運動ニューロンをALSモデルおよびコントロールマウスのアストロサイト上で共培養し、アストロサイトが運動ニューロンに及ぼす影響を観察した。その結果、変異SOD1を発現したアストロサイト上の運動ニューロンは生存率がコントロールと比較して低下しており、また残存した運動ニューロンの細胞体の面積が小さく、伸長した軸索の長さが短いことがわかり、細胞毒性を持つと考えられた。この細胞毒性が液性因子によるものかを明らかにするためにそれぞれのアストロサイトの培養液を集め、その中で運動ニューロンのみを培養したところやはり神経細胞の生存率の低下が認められた。原因物質は同定できていないが、Bax inhibitorであるV5を培養液に加えることで生存率の低下を抑制でき、機序としてBaxの存在が示唆された。続いて原因物質を同定するために変異SOD1発現アストロサイトの共培養からmRNAを抽出しサブトラクション法を用いてコントロールと比較して増減しているcDNAを同定した。
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[Journal Article] Differentiation of PA from early PSP with different patterns of symptoms and CBF reduction.2008
Author(s)
Kurata T, Hayashi T, Muiakami T. Miyazaki K, Morimoto N, Ohia Y, Takthisa Y, Nagai M, Kawarabayashi T, Takao Y, Ohta T, Karigaya Y, Manabe Y, Kamiya T. shoji M, Abe K.
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Journal Title
Neurol Res 30(8)
Pages: 860-867
Peer Reviewed
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