2007 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-β陽性調節性T細胞を標的とした多発性硬化症の画期的治療法開発に関する研究
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19590995
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
越智 博文 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20325442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小副川 学 九州大学, 大学病院, 助教 (60380614)
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Keywords | 多発性硬化症 / 免疫調節性細胞 / TGF-β |
Research Abstract |
1.多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)病態制御におけるLAP陽性T細胞の役割 健常者およびMS患者末梢血におけるLAP陽性T細胞の量的変化についてflow cytometry法により検討した。マウスでは、末梢血LAP陽性CD4+T細胞は約5%であり少数の細部群であるが(Ochi et al,Nat Med 2006)、ヒトではその割合は更に少なく1%未満であった。そのため、健常人と比較してMS患者における量的変化を明らかにすることはできなかった。また、ex vivoの実験系においてサイトカイン産生能やサプレッサー機能解析を行うことは非常に困難であることが明らかとなった。このことから、in vitroにおいてヒトLAP陽性CD4+T細胞を効率良く誘導し、誘導されたヒトLAP陽性CD4+T細胞の機能解析を行うことが重要であると考えられた。 2.他の自己免疫疾患におけるLAP陽性T細胞の役割 Streptozotosinを投与することでAKR miceに糖尿病を誘導することができ、1型糖尿病のモデルマウスとされる。この系を用いてLAP陽性T細胞がTGF-βの産生を介して糖尿病惹起性T細胞の活性化を抑制し、糖尿病発症を抑制することを明らかにした。このことから、LAP陽性T細胞を標的とした新規治療法は、多発性硬化症のみならず広く自己免疫性疾患の治療に応用できることが考えられた。
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