2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化型ガレクチン-1のマクロファージを介した末梢神経損傷後再生機構の解明
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19591004
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Research Institution | Nihon institute of Medical Science |
Principal Investigator |
吉村 和法 Nihon institute of Medical Science, 保健医療学部, 教授 (20158497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 富由樹 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (70186013)
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Keywords | 神経病態生化学 / 神経再生促進 / マクロファージ / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
平成19年度の研究目標の、『酸化型ガレクチン-1に対するマクロファージ表面レセプターの同定』に関しては、酸化型ガレクチン-1によるマクロファージの刺激時間を検討することに終始した。したがって、本年度は、酸化型ガレクチン-1刺激マクロファ-ジの膜タンパク質抽出分画の免疫沈澱を本格的に行い、二次元電気泳動、LC-MS/MS分析によるレセプター解析を格段に進める予定である。 『酸化型ガレクチン-1のシグナル伝達経路の解明』に関して、平成19年度は二次電気泳動、LC-MS/MSを用いたプロオテーム解析よりアルブミンや還元型ガレクチン-1で刺激したマクロファージの場合とは発現が異なって変化したタンパク質をいくつか捉えた。それらは、アルギナーゼ1、GRP78、トランスアルドラーゼ、GMF、マレイン酸デヒドロゲナーゼ等であった。特にアルギナーゼ1の変化は、リアルタイムRT-PCRでも酸化型ガレクチン-1による誘導発現が確認できたので、これを基に現在アルギナーゼ1の経時変化をウエスタンブロットで解析している。アルギナーゼ1は、神経細胞のアポトーシスを誘導する一酸化窒素(NO)の基質であるアルギニンを減少させるので、結局神経細胞の生存にポジティブに働いたものと推定される。また、他の有意な変化のあったタンパク質についても現在解析を進めている。 今年度はシグナル経路のより詳細な解析のために、さらに刺激時間をいくつか変化させることによって経過時間を追ったシグナル経路の解明や、予想されるシグナル経路の阻害剤を用いたシグナル経路確認実験を進める予定である。また分泌性神経栄養因子を見つけるために、酸化型ガレクチン-1刺激マクロファージの培養上清についても、二次元電気泳動およびLM-MS/MS分析によって分泌タンパク質を探る予定である。
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