2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化型ガレクチン-1のマクロファージを介した末梢神経損傷後再生機構の解明
Project/Area Number |
19591004
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Research Institution | Nihon institute of Medical Science |
Principal Investigator |
吉村 和法 Nihon institute of Medical Science, 保健医療学部, 教授 (20158497)
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Keywords | 神経病態生化学 / 神経再生促進 / マクロファージ / 神経栄養因子 / プロテオミクス |
Research Abstract |
末梢神経の再生過程にマクロファージを介して酸化型ガレクチン-1が関与している証拠が報告されているが、その詳細な機構はまだ不明である。それゆえ研究代表者はマクロファージの細胞内情報伝達機構の解明とマクロファージ上のガレクチン-1の受容体およびマクロファージから分泌される未知の神経再生促進因子の同定を行なうために実験を進めた。 1. 前年度の実験結果を踏まえ、酸化型ガレクチン-1によって刺激されたマクロファージのプロテオーム解析について、刺激時間を振って解析ポイントを増やした。本年度は1時間刺激のマクロファージにおいての解析をした。有意な差があったタンパク質はlimphocyte cytosolic protein 1, aldehyde dehydrogenase, gp96、Enolase 1等であった。 2. マクロファージ培養上清中の神経再生促進活性をもつ分泌因子の探索に関して、培養上清を凍結乾燥濃縮後、2次元電気泳動によって酸化型ガレクチン-1刺激培養上清とコントロール(還元型ガレクチン-1あるいはBSA刺激の培養上清)と比較して目的の分泌タンパク質の探索を試みた。2次元泳動し、画像解析が終了した。詳細な差異検索はまだであるが、スポット像の違いは確認済である。 3. 既に同定済みであった30分酸化型ガレクチン-1刺激にて有意な差異があったタンパク質について、さらなる詳細な解析をリアルタイムPCRで行った。プロテオーム解析との明らかな相関はみられなかった。しかし、リアルタイムPCRの結果により、刺激時間の違いでmRNAの興味深い挙動の変化がみられたので、プロテオーム解析においても、刺激時間を振っての解析を組み合わせることで、相関を見ることができるかもしれない。
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