2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス、HIFを標的とした新規脳保護薬の開発
Project/Area Number |
19591012
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
瀧澤 俊也 Tokai University, 医学部, 准教授 (70197234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏男 東海大学, 医学部, 教授 (10222332)
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Keywords | advanced glycation end product / hypoxia inducible factor / 脳梗塞 / 小胞体ストレス / フリーラジカル |
Research Abstract |
1. AGE形成抑制作用をもつ新規化合物 TM2002 アンギオテンシン II受容体拮抗薬の構造類縁ライブラリー(1332化合物)からadvanced glycation end product(AGE)形成抑制作用をもつヒット化合物7つを検出し、更に誘導体を合成し構造最適化の結果 TM2002 を合成した。TM2002は vitro でのORP150^<+/->mice動脈平滑筋細胞において tumicamycin 負荷での細胞死を抑制し、小胞体ストレス・酸化ストレスを抑制した。また、TM2002は、ラット中大脳動脈一過性閉塞モデルにおいて脳梗塞巣の縮小効果を認めた。また梗塞縮小効果は、既存の脳保護薬 edaravone をしのぎ、脳保護薬 NXY-059 とほぼ同等であった。こうした脳保護効果は、免疫組織学検討により小砲体ストレスの抑制、AGE形成抑制効果に起因することが判明した。 2. HIF活性化薬 TM6008 細胞内の hypoxia inducible factor(HIF)の安定性を高め活性を促すことで細胞虚血に対する抵抗性を高めるHIFを分解する prolylhydroxylase(PHD)の活性を抑制する薬剤、TM60O8を開発した。TM6008はGerbil前脳虚血負荷モデルにおいて、海馬の遅延型神経細胞死を著明に回避し、TUNEL染色においても apoptosis を抑制した。TM6008の脳保護効果は、HIFの下流に位置しエネルギーの細胞内移動を促進するglut-3の増加に起因することが判明した。 2008年度は、(1)マウス中大脳動脈永久閉塞モデルを用い、TM6008 投与による脳梗塞容積への影響、梗塞巣および海馬歯状回・側脳室下帯における内在性神経幹細胞の増殖・分化への影響、(2)培養神経前駆細胞を用い、細胞分化・増殖に及ぼす TM6008 の影響を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)