2008 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス、HIFを標的とした新規脳保護薬の開発
Project/Area Number |
19591012
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
瀧澤 俊也 Tokai University, 医学部, 教授 (70197234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏男 東北大学, 医学部, 教授 (10222332)
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Keywords | advanced glycation end product / hypoxia inducible factor / 脳梗塞 / 小胞体ストレス / フリーラジカル |
Research Abstract |
1)脳梗塞モデルにおける内在性神経神経幹細胞へ及ぼすHIF活性化薬TM6008の影響 細胞が低酸素に応答する際に重要な転写調節因子としてHypoxia inducible factor(HIF)があり、その下流に位置する遺伝子群は虚血に対し組織保護作用を示す。我々はHIFを分解するprolylhydroxylase(PHD)の新規阻害薬TM6008を開発し、脳虚血での神経保護作用を検討した。C57BL/6J mouseの右中大脳動脈を永久閉塞し、vehicle群とTM6008群の2群に分けた。両群とも7日と14日目に運動機能評価し、sacrificeして採血・HIF-1及びBrdU陽性細胞数・梗塞体積の評価を行った。その結果、7日では両群間で差はなかったものの、14日ではTM-6008群で脳萎縮率は萎縮傾向を認め、BrdU陽性細胞は有意に増加していた。以上よりTM-6008は内在性神経細胞を増加させ、脳保護的に作用する可能性が示唆された。 2)低酸素負荷培養神経前駆細胞における細胞分化・増殖に及ぼすTM6008の影響 Hela細胞ないしヒト神経芽細胞腫由来の神経系培養株SHS-5Y細胞に用い、GAS-PACK法による低酸素負荷を行った。TM6008は、低酸素環境負荷後の培養細胞において、HIFの発現を活性化し、持続させることが蛋白・遺伝子レベルで確認された。また、VEGFを初めとするHIF下流因子群に発現も、TM6008投与群において、非投与群と比較して増加している事が蛋白・遺伝子レベルで確認された。TUNEL陽性細胞の割合もTM6008投与群において低下する傾向が認められたことからも、TM6008がアポトーシスを抑制し、低酸素負荷による細胞死を抑制していることが確認できた。AGE-Readerを用いて、脳血管障害患者の皮膚のAGEsを非侵襲的に測定し、AGE値と脳血管障害との関連について検討した。その結果症候性脳梗塞及び無症候性脳梗塞群のAGE値は、コントロール群に比べて有意に上昇していた。 3)脳梗塞患者のAGEs(advanced glycation end-products)の測定 AGE-Readerを用いて、脳血管障害患者の皮膚のAGEsを非侵襲的に測定し、AGE値と脳血管障害との関連について検討した。その結果症候性脳梗塞及び無症候性脳梗塞群のAGE値は、コントロール群に比べて有意に上昇していた。
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Research Products
(2 results)