2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインCCL19/21を介した実験的自己免疫性脳脊髄炎発症機構の解明
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19591013
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
垣内 史堂 Toho University, 医学部, 教授 (40126024)
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Keywords | 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / 多発性硬化症 / ケモカイン / CCL19 / CCL21 / Th17細胞 / IL-23 / IL-17 |
Research Abstract |
多発性硬化症(MS)は中枢神経の脱髄性疾患で予後不良である。特定の系統のマウスをミエリン塩基性タンパク質やミエリンオリゴ糖タンパク質(MOG)で免疫すると、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を発症し、MSのマウスモデルとされており、発症メカニズムの検討や治療法開発の試みが行われている。しかし、未だMS発症機能の解明にはいたらず、治療法開発にも成功していない。最近、EAEを発症させるのはこれまで知られていたTh1ではなくTh17細胞であることが明らかにされた。我々はケモカインCCL19/21の発現を欠くpltマウスを見出し、これらのケモカインがT細胞と樹状細胞の遊走に関与するとともに、T細胞の反応にも関与することを報告してきた。本研究課題では、EAEの発症にこれらのケモカ.インが関与することを明らかにした。すなわち、CCL19/21の発現を欠くpltマウスではEAEが誘導されないことがわかり、これはEAEを発症させるTh17細胞が出てこないためであることが判明した。Th17細胞誘導にはIL-6とTGF-betaが関与し、その維持にはIL-23が重要であることが知られている。抗原提示細胞としての樹状細胞がIL-23を産生するにはCCL19/21が必要であることを明らかにし、これらのケモカインの発現を欠くためにpltマウスではIL-23に依存するTh17細胞が誘導されず、EAEを発症しないことを明らかにした。これらの所見を確認し、裏付けとなるデータも十分に得られた。
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Research Products
(7 results)