2008 Fiscal Year Annual Research Report
筋強直性ジストロフィー症におけるリアノジン受容体機能、脳スプライシング異常の解析
Project/Area Number |
19591019
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
芳川 浩男 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (90273680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 卓 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20441264)
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Keywords | 筋強直性ジストロフィー症 / スプライシング / リアノジン受容体 |
Research Abstract |
1)RyR1スプライシング部位近傍の遺伝子変異体の機能的解析 スプライシング部位近傍のセントラルコア病を起こすRyR1変異体(P3527S)をHEK293T細胞に発現させリアノジンバンディングアッセイをおこない、RyR1の開口確率を測定した。正常RyR1と変異RyR1の間に機能的な差は認められなかった。またATPやカフェインといったRyR1のagonistに対する反応やCa2+依存性を調べたがこれについても正常と変異体の間で明らかな差異をみとめなかった。 2)筋強直性ジストロフィー患者脳、心筋での新規スプライシング異常の探索 筋強直性ジストロフィー患者の脳、心筋でのスプライシング異常を解析し、心筋ではリアノジン受容体タイプIIの新規スプライシング異常、脳ではリアノジン受容体タイプI、NMDA型グルタミン酸受容体、およびカルシウム、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIの新規スプライシング異常を見出した。これらの成果は日本神経学会(2008、横浜、2009、仙台)、international myotonic dystrophy consortium(2009、ドイツ)で発表済みあるいは発表予定である。 3)リアノジン受容体(RyR1)スプライシング異常の興奮収縮連関に与える影響の検討 スプライシング部位の興奮収縮連関への関与が検討するため、RyR1ノックアウトマウス筋管細胞に正常(ASI+)およびスプライシング変異体(ASI-)RyR1のcDNAをマイクロインジェクションし、脱分極刺激における細胞内カルシウム放出の程度を検討した。 その結果、安静時のカルシウム放出はASI-で低下しており、脱分極刺激時のカルシウム放出はASI-で増加していた。この異常なカルシウム調節が、筋緊張性ジストロフィー症での筋力低下の原因になる可能性を考えた。この成果はCell Calcium誌2009に掲載済みである。
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Research Products
(5 results)