2007 Fiscal Year Annual Research Report
新たな遺伝子治療のコンセプトを用いたアミロイドポリニューロパチーの治療研究
Project/Area Number |
19591028
|
Research Institution | National Institute for Minamata Disease |
Principal Investigator |
中村 政明 National Institute for Minamata Disease, 臨床部, 室長 (50399672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 由喜雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20253742)
|
Keywords | 脳神経疾患 / 核酸 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は成人発症の常染色体優性遺伝を呈する神経難病である。血中の異型トランスサイレチン(TTR)のほとんどが肝臓から産生されることから、近年、肝移植が行われるようになり、肝臓の異型TTR遺伝子を移植により正常化すると、全身症状が進行しなくなることが判明した。これまで我々は、single standard oligonucleotides (SSOs)を用いて、トランスジェニックマウスの肝臓の異型TTR遺伝子の正常化(約10%)に成功した。Chen Yらは、single-stranded DNA expression vectorを開発し、single-stranded DNAであるDNAエンザイムの細胞内発現で70〜80%の標的遺伝子の発現抑制が得られたことを報告した。そこで、本研究ではEAPの遺伝子治療の実用化に向けて、更に変換効率を上げるため、SSOsを細胞内で発現させるsingle-stranded DNA expression vectorを作成することを目的とした。まず、Chen Yらにより提唱された発現ベクターがsingle-stranded DNAを産生するかどうかを検討した。TTR遺伝子を抑制するDNAエンザイムを発現するsingle-stranded DNA expression vectorをTTR遺伝子を発現するHepG2細胞にトランスフェクションしたところ、TTR遺伝子の発現抑制が起こることをリアルタイムRT-PCR (70〜75%の抑制)およびwestern blot法にて確認した。次に、TTR遺伝子変換を起こすように設計したsingle-stranded DNA expression vectorを作成した。現在、最適なトランスフェクション法を検討しているところである。
|