2007 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース感受性転写因子の活性調節による代謝症候群治療法の開発
Project/Area Number |
19591035
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
飯塚 勝美 Gunma University, 生体調節研究所, 講師 (40431712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 幸男 岐阜大学, 医学部付属病院, 准教授 (10323370)
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Keywords | ChREBP / Mlx / Lipogenesis / metabolic syndrome / 代謝症候群 |
Research Abstract |
ChREBPはグルコースにより活性化され,脂肪合成系酵素の転写を調節する転写因子である。ChREBPの転写活性を抑制することで,肥満や糖尿病などメタボリックシンドロームの病態が改善しうることをこれまでに報告してきた。ChREBPとへテロダイマーを形成し,脂肪合成系酵素のグルコース反応領域に結合する転写因子にMlxがある。Mlxの機能抑制もまたChREBP同様にメタボリックシンドロームの病態を改善する治療法になると考えられる。そこで本年度は,ChREBPと正常型Mlxとの結合を阻害し,且つChREBPによる脂肪合成酵素の転写活性化を抑制しうるMlxの部分欠失体の探索を行った。まず,Mlxを機能ドメインごとに4分割し,合計9種類の部分欠体を作成し,CHREBPによる肝臓型ピルビン酸キナーゼ(L-PK)のプロモーターの活性化を指標として活性抑制体をスクリーニングしたところ,1種類の優性抑制体(DN-Mlx)を得た。同蛋白の細胞内局在をGFPとの融合蛋白により確認したところ,核および細胞質両方で発現が見られた。哺乳類のtwo hybrid systemにより,細胞内でDN-MlxとChREBPが結合することを確認した。さらに,DN-Mlxを発現するアデノウイルスを作成し,肝細胞でLPKのグルコース応答性の発現変化を測定したところ,LPKのレポーター活性およびmRNA発現量双方のグルコース応答性を抑制することができた。今後,肝細胞や膵島細胞,さらに生体内投与によりChREBP活性抑制の効果を判定する予定である。 また,ChREBPにより発現調節をうける2種類の分泌蛋白をDNAマイクロアレイにより獲得した。同分泌蛋白を生体で発現するためのアデノウイルスを作成した。今後,生体内投与を行ない,糖および脂質代謝への影響を評価する予定である。
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