2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖代謝調節・動脈硬化症における血管内皮インスリン受容体基質-2の役割の解明
Project/Area Number |
19591037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 直人 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 特任准教授 (50396719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40372370)
植木 浩二郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00396714)
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
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Keywords | インスリン受容体基質-2 / 血管内皮細胞 / 糖代謝 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
肥満症やメタボリックシンドロームに伴うインスリン抵抗性状態では、しばしば血管内皮機能障害が認められ、血管内皮機能障害自体が個体のインスリン抵抗性を惹起するという仮説も出されているが、十分な実験的根拠に欠けている。そこで我々は、血管内皮細胞において主要なインスリン受容体基質(IRS)であるIRS-2に着目し、血管内皮機能障害とインスリン抵抗性について血管内皮細胞特異的IRS-2欠損(ETIRS-2KO)マウスを作製し解析した。ETIRS-2KOマウスは、血管内皮細胞におけるインスリンシグナル障害と血管内皮機能低下を呈していた。興味深いことに、このマウスでは骨格筋のインスリン抵抗性が認められた。ところがこのマウスの単離骨格筋のインスリン刺激による糖取り込みには障害は認められず、このことからこのマウスでは骨格筋そのものではなく、骨格筋において血流を介する糖取り込み障害が存在する可能性が示唆され、実際このマウスでは骨格筋における血流とインスリン刺激後の間質のインスリンの増加に有意な障害が認められた。以上より、ETIRS-2KOマウスは、血管内皮細胞におけるIRS-2欠損により血管内皮機能が低下し、インスリンによる骨格筋血流の増加や骨格筋間質へのインスリン移行の増加が障害され、その結果インスリン抵抗性を惹起した可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)