2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝における生体防御機構の分子基盤の解析:ストレス蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
19591042
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小澤 修 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90225417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 信治 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60402153)
徳田 治彦 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10397325)
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Keywords | ストレス蛋白質 / マップキナーゼ / 骨芽細胞 / カテキン / ポリフェノール |
Research Abstract |
細胞がストレスに曝露されると、一連のストレス蛋白質(heat shock protein,HSP)が誘導される。HSPはその分子量によって、高分子量HSPと低分子量HSPの2つのグループに分けられている。高分子量HSPは生体防御において分子シャペロンとして中心的役割を果たすことがよく知られている。一方、HSP27は低分子量HSPファミリーの一員であり、種々の組織に存在することが報告されている。しかしHSP27の生理的役割の詳細は未だ明らかとされていない。今回私共は、骨代謝において中心的役割を担う骨芽細胞において、TGF-βによる誘導されるHSP27に対する緑茶の主要なポリフェノール成分であるカテキンの影響につき検討し、以下の点を明らかとした。 1. カテキンはHSP70のレベルには何ら影響しなかったが、用量依存的にTGF-βによって誘導されるHSP27のレベルを抑制した。 2. TGF-βはMAPキナーゼスーパーファミリーのp44/p42MAPキナーゼ,p38MAPキナーゼおよびSAPK/JNKの活性化を介しHSP27を誘導した。 3. カテキンはTGF-βによるp44/p42MAPキナーゼ,およびp38MAPキナーゼの活性化には何ら影響しなかったが、SAPK/JNKの活性化を抑制した。 以上の結果から、骨芽細胞においてカテキンはSAPK/JNKの阻害を介し、TGF-βによる誘導されるHSP27を抑制することが明らかとなった。
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