2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝における生体防御機構の分子基盤の解析:ストレス蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
19591042
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小澤 修 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90225417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 治彦 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10397325)
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Keywords | ストレス蛋白質 / マップキナーゼ / 骨芽細胞 / カテキン / ポリフェノール |
Research Abstract |
細胞がストレスに曝露されると、一連のストレス蛋白質(heat shock protein, HSP)が誘導される。HSPはその分子量によって、高分子量HSPと低分子量HSPの2つのグループに分けられている。高分子量HSPは生体防御において分子シャペロンとして中心的役割を果たすことがよく知られている。一方、HSP27は低分子量HSPファミリーの一員であり、種々の組織に存在することが報告されている。しかしHSP27の生理的役割の詳細は未だ明らかとされていない。今回私共は、骨代謝において中心的役割を担う骨芽細胞において、骨代謝調節因子であるsphingosine 1-phosphate (S-1-P)によるHSP27の誘導におけるRhoキナーゼの役割につき検討し、以下の点を明らかとした。 1. S-1-PはRhoキナーゼの基質であるMYPT-1のリン酸化を促進した。一方、Rhoキナーゼの阻害剤であるY27632及びfasudilはそのリン酸化を抑制した。 2. Y27632及びfasudilはS-1-PによるHSP27の誘導を抑制した。 3. 既に私共はS-1-Pがp38 MAPキナーゼおよびPI3-キナーゼ/Aktの活性化を介してHSP27を誘導することを報告している。今回、Y27632及びfasudilはS-1-PによるPI3-キナーゼ/Aktの活性化には何ら影響しなかったが、p38 MAPキナーゼの活性化を抑制した。 以上の結果から、骨芽細胞においてRhoキナーゼはp38 MAPキナーゼの上流で機能し、S-1-Pによって誘導されるHSP27を制御していることが明らかとなった。
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