2008 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素、活性酸素制御を介する血管内分泌及び血管老化制御による動脈硬化退縮療法
Project/Area Number |
19591043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 登志雄 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (80303634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅垣 宏行 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40345898)
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Keywords | 一酸化窒素 / 動脈硬化症 / 細胞老化 / エストロゲン / 糖尿病 / 動脈硬化退縮 / 血管内皮細胞 / NOドナー |
Research Abstract |
高齢者動脈硬化症退縮における血管老化制御の可能性を探るべく、動脈硬化症への老化の関与及び一酸化窒素(NO)の老化に対する効果や冠危険因子との相互作用を今年度は各種病態モデルにて検討した。 (1)エストロゲンと細胞老化、NO:細胞を継代培養時のSAβ gal活性、老化細胞の割合は生理的濃度のエストロゲン投与により有意に低くなった。その効果はエストロゲン受容体阻害剤及びNO合成酵素阻害剤で抑制された。エストロゲンは家兎動脈硬化を脂質を変化させずに70%抑制し一定部分NOを介して作用した。arginase II抑制作用も認めた。進行動脈硬化血管ではシトルリンやエストロゲンがNO bioavailabilityを高めた。 (2)グルコースと細胞老化、NO:72時間の高グルコースはeNOS蛋白、NO産生を抑制し、SA-βgal陽性細胞が増加した。アルギニン,シトルリン、更にantioxidantsは相加的に、細胞老化を抑制した。eNOS導入も相加的に働いた。NO、L-arginine,L-citrullineや抗酸化剤とeNOSの抗老化作用と高齢者の動脈硬化治療との関連が示唆された。グルコースによる細胞老化はreplicative及びstress induced双方のsenescenceが寄与する事が明らかになった。 (3)インスリンと細胞老化インスリンは正常グルコース下では内皮細胞老化を促進したが,高グルコース下では生理的濃度で老化抑制、高濃度で老化促進という2相性作用を示した。eNOSsiRNA,NADPH oxidase siRNAの導入実験よりこのインスリンの作用は一部がNO依存性、一部はIGF受容体の寄与を受ける事が示唆された。
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Research Products
(19 results)