2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける脂肪細胞肥大化分子AP2βの役割
Project/Area Number |
19591045
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
卯木 智 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (20378483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 士郎 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー (50314159)
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Keywords | 糖尿病 / メタボリックシンドローム / 脂肪細胞 / アディポサイトカイン |
Research Abstract |
我々は,肥満2型糖尿病とその遺伝子座が相関する転写因子AP-2βを同定し,それが脂肪組織に特異的に発現すること,脂肪細胞への分化に伴いその発現が増加することを報告した。さらに本転写因子がアディポサイトカインの一つであるアディポネクチンの遺伝子発現をそのプロモーターを介して直接抑制すること,また炎症性サイトカインであるIL-6mRNA発現を増加させることを見出した。MCP-1は,肥満のごく初期からマクロファージの誘導、活性化作用があり,インスリン抵抗性との関連が報告されているが脂肪細胞におけるMCP-1発現調節機構については不明な部分が多い。そこで,AP-2βのMCP-1発現に対する影響を3T3-L1脂肪細胞を用いて検討した。アデノウイルスを用いてAP-2βを過剰発現させると,MCP-1のmRNAは18倍に,また,プロモーター活性は6倍に増加した。また,細胞内および培養メディウム中のMCP-1蛋白量の増加を認めた。MCP-1プロモーター領域に存在するAP-2βの結合推定領域(3箇所)のうち,中央部の結合部位を変異させるとそのプロモーター活性が低下した。さらに,その部位の塩基配列に本転写因子が結合することをEMSA法およびChlP Assayにて確認した。これまでの研究成果と併せて,AP-2βは脂肪細胞の機能異常をきたし,2型糖尿病やメタボリックシンドロームを引き起こす転写因子であることが示唆された。
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