2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海老原 健 Kyoto University, 医学研究科, 産学官連携講師 (70362514)
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Keywords | レプチン / 2型糖尿病 / ストレプトゾトシン / 高脂肪食 / レプチン抵抗性 / AMPK / メラノコルチン |
Research Abstract |
2型糖尿病モデルマウスにおけるレプチン治療の有用性に関する検討:ヒトの2型糖尿病ではしばしば肥満を伴い、レプチン抵抗性が認められる。そこで肥満を伴った2型糖尿病におけるレプチン治療の有用性を検討するために、ストレプトゾトシン(STZ)と高脂肪食を組み合わせることによりインスリン分泌能低下とインスリン抵抗性、体脂肪量増加を併せ持つ2型糖尿病モデルマウスを作製した。このマウスでは25%の体脂肪量増加と2倍の血中レプチン濃度が認められたが、レプチン治療により有意な血糖降下作用、脂質代謝改善作用が認められた。25%の体脂肪量の増加と2倍の血中レプチン濃度はヒトにおけるBMI25〜30に相当し、2型糖尿病症例の大部分を占めており、2型糖尿病においてもレプチンが治療薬として有用である可能性が示された。 レプチンの糖脂質代謝改善作用における中枢性メラノコルチン系の意義に関する検討:我々はレプチン過剰発現トランスジェニックマウスの骨格筋においてAMPKが活性化していることを報告し、レプチンの糖脂質代謝改善作用における骨格筋AMPKの重要性に着目してきた。レプチンの摂食調節が視床下部メラノコルチン系を介した作用であることから、骨格筋AMPK活性を指標にレプチンの糖脂質代謝改善作用における視床下部メラノコルチン系の意義をマウスを用いて検討した。メラノコルチン受容体アゴニストによりAMPKの活性化が認められ、アンタゴニストによりレプチンによるAMPKの活性化が阻害されることから、レプチンの脂質代謝改善作用は視床下部メラノコルチン系を介した作用であることが示された。さらに、高脂肪食によりレプチンによるAMPKの活性化は消失する一方、メラノコルチン受容体アゴニストによる活性化は認められ、高脂肪食負荷によるレプチン抵抗性の原因は視床下部メラノコルチン系の上流にあることが示された。
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