2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591048
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海老原 健 Kyoto University, 医学研究科, 産学官連携講師 (70362514)
|
Keywords | レプチン / 2型糖尿病 / ストレプトゾトシン / 高脂肪食 / レプチン抵抗性 / AMPK / メラノコルチン |
Research Abstract |
(1)レプチンの糖代謝改善効果における作用経路の解明 レプチンの糖代謝改善作用について1)中枢神経系を介する可能性、2)交感神経活動亢進を介する可能性、3)視床下部一下垂体系を介したグルココルチコイド産生抑制を介する可能性について低レプチン血症でありレプチンにより糖代謝が改善することが知られる脂肪萎縮性糖尿病モデルA-ZIP/F-1マウスを用いてレプチン脳室内投与や交感神経遮断薬投与、副腎摘出術を行うことにより検討した。A-ZIP/F-1マウスの糖代謝は末梢投与では効果を示さない低用量のレプチン中枢投与で明らかな改善が認められた。またβ交感神経遮断薬によりレプチンによる糖代謝改善作用は抑制された。さらにA-ZIP/F-1マウスの一日尿中コルチコステロン排泄量は上昇しており、副腎摘出術により糖代謝が改善した。以上より、レプチンは主に中枢神経系を介して一部はβ交感神経を介し、一部はグルココルチコイド産生を抑制することにより糖代謝を改善するものと考えられた。 (2)レプチンの糖代謝改善効果における作用メカニズムの解明 レプチンは骨格筋においてAMPKを活性化することにより脂肪酸酸化や糖取り込みを促進することが知られている。そこで低レプチン血症でありレプチンにより糖代謝が改善することが知られる脂肪萎縮性糖尿病モデルA-ZIP/F-1マウスの骨格筋および肝臓におけるAMPKの活性を検討した。骨格筋ではAMPK活性に明らかな変化は認められなかったが、肝臓においては明らかなAMPK活性の低下が認められた。またレプチン投与により骨格筋のみならず肝臓においてもAMPKの活性化が認められた。以上よりレプチンの糖代謝改善作用には骨格筋のみならず肝臓のAMPK活性化も関与しているものと考えられた。
|
Research Products
(8 results)