2007 Fiscal Year Annual Research Report
cPLA_2制御によるPPARγ活性化を応用した新規糖尿病治療法開発の試み
Project/Area Number |
19591056
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松村 剛 Kumamoto University, 医学部附属病院, 医員 (20398192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40274716)
西川 武志 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70336212)
本島 寛之 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (40398201)
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Keywords | cPLA2 / PPARγ / COX-2 / インスリン抵抗性 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
<平成19年度に実施した研究の成果> 本研究は、cytosolic phospholipase A_2(cPLA_2)の制御によるPPARγ活性化の機序を解明し、その効果を介したインスリン抵抗性改善作用の有無を検討することを目的とし行った。 1、cPLA_2阻害薬(AACOCF_3)添加、あるいはcPLA_2siRNAにより、RAW264.7細胞(マウスマクロファージ系細胞)でのPPARγ活性の上昇が認められた。 2、3T3-L1脂肪細胞にてAACOCF_3添加、あるいはcPLA_2siRNAにより、PPARγ活性の上昇が認められた。 3、AACOCF_3添加、あるいはcPLA_2siRNAにより、RAW264.7細胞での長鎖脂肪酸(アラキドン酸、オレイン酸、ドコサヘキサエン酸)の産生低下が認められた。 4、AACOCF_3添加、あるいはcPLA_2siRNAにより、RAW264.7細胞でのCOX-2産生増加が認められ、さらにCOX-2阻害剤(NS-398)もしくはCOX-2siRNAによりAACOCF_3によるPPARγ活性化は有意に抑制された。 以上の結果から、cPLA_2の随害は、マクロファージあるいは脂肪細胞においてPPARγの活性化を誘導すること、またこの機序にCOX-2の産生増加が関与することが考えられた。このことは、cPLA_2の負の制御がPPARγ活性化を介したインスリン抵抗性改善効果を引き起こす可能性を示唆している。
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