2008 Fiscal Year Annual Research Report
PI3Kp85α抑制下でのインスリン作用におけるアディポネクチン、レプチンの関与
Project/Area Number |
19591062
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
青木 一孝 Yokohama City University, 分子内分泌・糖尿病内科, 助教 (60336542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 康夫 横浜市立大学, 分子内分泌・糖尿病内科, 教授 (40359609)
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Keywords | 糖尿病 / レプチン / アディポネクチン / p85αPI3キナーゼ / 遺伝子欠損動物 |
Research Abstract |
遺伝子ターゲティングによりインスリン分泌不全やインスリン抵抗性の動物モデルを作成し、その成因や病態を個体レベルで明確にすることは、2型糖尿病の発症・進展の機序の解明に非常に重要である。寺内らは、インスリンのシグナル伝達系のPhosphatidylinositol 3-kinase(PI3キナーゼ)調節サブユニットのp85αを全身で欠損させたp85α欠損マウスを作成し、評価した。その結果、同マウスでは末梢組織(筋肉や脂肪組織)でのインスリン感受性が元進していた(Terauchi Yetal.Nat Genet.1999,Terauchi Y et al.Diabetes.2004)。 今回、p85α欠損マウスの肝臓のインスリン作用と糖代謝を比較検討した。グルコースクランプ法では、野生型と比較し、p85α欠損マウスの末梢組織でのインスリン感受性は元進していたが、p85α欠損マウスの肝糖放出は抑制されていなかった。さらに、野生型と比較し、p85α欠損マウスの肝糖新生系酵素の遺伝子発現は上昇していた。また、p85α欠損マウスの肝臓のAktのリン酸化も充進していなかった。これらの結果より、p85α欠損マウスでは、末梢組織とは異なり、月刊蔵でのインスリン感受性は充進しておらず、むしろ糖新生が充進していることを見出し、報告した(Aoki K et al.Am J Physiol Endocrinol Metab.2009)。一方、肝臓特異的にp85□を欠損させたマウスでは、肝臓のインスリン感受性が充進していた (Taniguchi CM etal.Proc Natl Acad Sci USA.2006)との報告もあるため、現在、p85α欠損マウスの初代培養肝細胞におけるインスリン作用と糖代謝を比較検討中である。
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Research Products
(2 results)