2007 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病のインスリン分泌不全に対する酸化ストレスとマクロファージの関与の解明
Project/Area Number |
19591065
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
石田 均 Kyorin University, 医学部, 教授 (80212893)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
吉元 勝彦 杏林大学, 医学部, 講師 (20271257)
|
Keywords | 2型糖尿病 / インスリン分泌 / 酸化ストレス / マクロファージ |
Research Abstract |
2型糖尿病の膵β細胞からのインスリン分泌不全の成因に関連して、膵β細胞において酸化ストレスが糖代謝機構を障害してグルコース刺激に対するインスリン分泌を抑制すること、そしてその効果は可逆的であることを観察していたが、その後になり膵β細胞にNO合成酵素が発現していること、ならびに2型糖尿病動物あるいはヒトの膵β細胞で内因性の酸化ストレスが増大していることが観察されることとなり、この成因に果たす酸化ストレスの作用機序を検討することとした。さらに最近になり2型糖尿病モデルの膵ラ氏島にマクロファージが浸潤し、局所での炎症反応や酸化ストレスの増大に関与する可能性が報告された。そこで膵β細胞株のMIN6細胞を用いて、高濃度グルコース(25mM)ならびに高濃度パルミチン酸(0.3mM)存在下に長時間培養の後、マクロファージの浸潤を促すchemokineの1つであるmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)の発現と培養液中への放出の変化を検討したところ、明らかな増加が認められた。またこの増大は抗酸化剤のひとつであるN-acetyl cysteinの同時投与により有意に抑制されるとともに、IκB phosphorylation inhibitorのBAY11-7085の同時投与にても同様に有意に抑制された。したがって2型糖尿病状態下のglucolipotoxicityの存在により膵β細胞からのMCP-1放出が増加し、その結果マクロファージの浸潤が促進されること、そしてその機序の少なくとも1つに内因性酸化ストレスの増大が関与し、さらにその下流のシグナルとしてIκB-dependent pathwayが重要な役割を果たしている可能性が考えられた。
|
Research Products
(4 results)