2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人小児期発症1型糖尿病におけるメタボリック・メモリーに関する研究
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19591068
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
内潟 安子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (50193884)
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Keywords | 小児期発症1型糖尿病 / 思春期 / 小児科から内科への移行 / 糖尿病性合併症 / 多施設共同研究 / 小児インスリン治療研究会 / メタボリックメモリー / コホート調査 |
Research Abstract |
【目的】血糖コントロール状況が明らかな小児インスリン研究会第1コホートの患者群の、約10年以降の合併症状況を調査開始し、この10年間に遭遇した転院や思春期、および過去の5年間のHbAlc値が、どのようにその後の合併症発症に影響しているかを検討する。 【対象と方法】対象患者数は1975〜1988年に生まれて1995年末までに発症した6歳以上の18歳未満の1型糠尿病患者546名である。2006年12月6日現在340名から書面にて同意を得て登録できた。小児科時代の主治医からは内科への転院の有無を聴取(東京女子医科大学糖尿病センターを除く)、過去1年間のHbAlc、光凝固の有無、尿中ACR、血清クレアチニン値、透析、移植、大血管合併症の有無などを現在通院中の主治医に調査依頼した。【結果】参加施設ごとの登録人数は13.8±12.4(1〜50)名、2006年時点の年齢は24.0±3.3(13〜29)歳で、罹病期間は16.3±3.9(13~25)年であった。施設の平均HbAlcは、1995年8.3±1.6%、1999年は8.1±1.5%、2006年は7.7±1.5%、2008年は7.6±1.3%であった(1995年vs1999年、1995年vs2006年、p<0.05)内科への転院・転科率は全体で87名(32%)(24.8±2.9歳)。2006年から2008年には光凝固術施行は17名から(男2、女15名)(26.2±3.1歳、罹病期間18.9±4.5年、転院・転科率26.3%)20名に、ACR>30mg/gCrは11名(男6、女5名)いた(25.5±2.7歳、罹病期間17.7±3,2年、転院・転科率50.0%)から24名に増加した。上記あり(28名)/なし(312名)群の1995年、1999年、2006年のHbAlcは8.5±1.8%、8.7±2.2%、8.7±L5%/8.3±L6%、8.1±1.5%、7.7±1.5%(2006年のみP=0.021)であった。各種因子のうち、過去5年間のHbAlcが影響を及ぼしていた。【結論と考察】過去のHbAlc値がもっとも影響を及ぼすことがわかった。
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