2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖脂質代謝を調節する2つの新規ケモカインの同定と生理機能の解析
Project/Area Number |
19591077
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 裕 Kobe University, 医学研究科, 講師 (70301281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 和夫 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (00107955)
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Keywords | 糖代謝 / 脂質代謝 / 新規ホルモン / ケモカイン / CXCL14 |
Research Abstract |
私たちが代謝刺激によって変動する遺伝子として同定したGI1とAC1の二つの新規ケモカインの生理機能およびメタボリックシンドロームなどの病態との関連についての研究を行ってきた。GI1(CXCL14)は肝細胞においてGHによって誘導される機能不明のケモカインとして同定したが、血中濃度がインスリンによって調節されており、脂肪細胞においてインスリンシグナルの感受性をよくすることによって、インスリン依存性のグルコース取り込みを促進することが明らかになった(BBRC2007)。CXCL14のノックアウトマウスが高脂肪食に対して肥満を来しにくいことが2007年に報告されており、合わせて考えると高脂肪食による肥満において重要な役割を果たしていると考えられた。AC1は新規アディポカインとして同定したが、in vitroでは脂肪細胞におけるインスリンシグナルを調節し、すでに樹立したノックアウトマウスを用いた解析では膵ラ氏島においても重要な役割を果たしていることを明らかにした。脂肪細胞における役割についてはインスリンシグナルを調節することにより、グルコース取り込みを刺激することが明らかになりFEBS letters2008に報告した。さらに膵臓のβ-細胞に受容体とともに強く発現していること見いだした。実際ノックアウトマウスでは、β-細胞のグルコース依存性のインスリン分泌が低下していることを明らかにした。このことから新規アディポカインAC1は膵臓におけるインスリン分泌調節に重要な役割を果たしていることが明らかになったため、現在論文投稿中である。
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