2007 Fiscal Year Annual Research Report
摂食調節ネットワークの再構築と新規肥満制御因子の探索
Project/Area Number |
19591083
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊達 紫 University of Miyazaki, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70381100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 幹也 国立循環器病センター, 生化学部, 部長 (50291183)
川越 暁 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教 (40452916)
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Keywords | 摂食調節 / 脳内ネットワーク / 神経性調節 / 肥満 / エネルギー代謝調節 |
Research Abstract |
1)摂食関連ホルモンの神経系を介する情報伝達機構 脂肪細胞で産生され摂食抑制に機能するホルモン;レプチンの中枢への情報伝達における迷走神経および延髄-視床下部神経路の役割について神経遮断ラットを用いて検討した。グレリン、コレシストキニン、ペプチドYYなどの摂食関連ホルモンは、神経遮断により摂食亢進や抑制の作用が完全に消失するが、血行性経路が主要な伝達経路であるとされるレプチンについては、神経遮断ラットにおいても摂食抑制作用が認められた。しかし、神経遮断ラットにおけるレプチンの摂食抑制効果は、コントロールラットに比べ明らかに減衰しており、レプチン作用が完全に発揮されるためには神経系の正常な機能が重要な役割を果たしていることが示唆された。レプチン受容体は迷走神経求心細胞で産生されており、レプチン末梢投与により迷走神経求心線維の発火頻度は有意に増加した。これらの知見は、レプチン作用の少なくとも一部は迷走神経求心路を介して直接中枢へと伝達される可能性を示している。 2)神経遮断のおよぼすエネルギー代謝調節機構への影響 延髄-視床下部を切断した中脳切断ラットの術後1週目のエネルギー代謝パラメーターを解析した。体重増加量、摂餌量、酸素消費量、行動量、嗜好性、レプチンやインスリン濃度を測定したが、いずれもコントロールと有意な差を認めなかった。同ラットは術後1週以降は過食による著明な肥満を呈することが明らかとなり、現在その分子機構の詳細を検討中である。 3)高脂肪食耐性ラットの解析 高脂肪食摂取にもかかわらす内臓脂肪蓄積がきわめて少ない高脂肪食耐性ラットを作出し、エネルギー代謝調節機構の特徴や遺伝子発現の変動について検討を進めている。
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Research Products
(1 results)