2007 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体と翻訳後蛋白修飾を介するビタミンK標的分子ネットワークの解析
Project/Area Number |
19591084
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
堀江 公仁子 Saitama Medical University, 医学部, 准教授 (90261982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (40251251)
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Keywords | ビタミンK / 核内受容体 / 翻訳後蛋白修飾 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究では、ビタミンKの骨芽細胞系における作用機構を複合的に理解する目的で、本年度はγカルボキシラーゼ(GGCX)を介する経路以外の作用に注目し、1)核内ステロイドX受容体(SXR)を介する作用経路と、2)SXR系の検討過程でクローズアップされてきた第3の経路について検討を行った。さらに、3)ビタミンKと同様に核内受容体に作用するが骨粗鬆症の原因となりうるステロイド(グルココルチコイド)に関して、骨芽細胞系におけるステロイド応答遺伝子の探索を行った。 1)として、骨芽細胞系におけるビタミンK作動性のSXR標的遺伝子(TSK、CD14)について、これら遺伝子上流領域におけるSXR結合部位をクロマチン免疫沈降法(ChIPアッセイ)で検出した。SXR安定発現骨芽細胞系を用いて、網羅的にSXR結合部位ならびにSXRによるクロマチンDNAアセチル化部位を探索するChIP-on-chip法への展開を目指している。 2)として、SXR安定発現細胞系とコントロールベクター発現細胞系の双方でビタミンK2(MK-4)により発現誘導され、かつSXR標的遺伝子でない遺伝子をMK-4特異的標的遺伝子としてとらえ、そのなかでTGF-βファミリーに属するGDF15とペプチドホルモンであるSTC2について発現解析を行った。これら遺伝子の発現はMK-4特異的であり、SXRリガンドのリファンピシンでは発現誘導されず、GGCXに対するsiRNAでは発現への影響はなかったことから、GGCXにもSXRにもよらないビタミンKの新たな作用が見出された。本作用経路のメカニズムとして、PKAのリン酸化の関与を示した。この内容はヨーロッパ内分泌学会誌であるJ Mol Endocrinolに論文発表を行った。 3)として、骨芽細胞系におけるグルココルチコイド受容体(GR)結合部位の探索をChIPアッセイにより行い、その成果の一部は米国骨ミネラル研究学会で発表を行った。
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