2008 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体と翻訳後蛋白修飾を介するビタミンK標的分子ネットワークの解析
Project/Area Number |
19591084
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
堀江 公仁子 Saitama Medical University, 医学部, 准教授 (90261982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 埼玉医学大学, 医学部, 客員教授 (40251251)
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Keywords | ビタミンK / 核内受容体 / 翻訳後蛋白修飾 / 骨芽細胞 / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
本研究では、ビタミンKの骨における作用機構を複合的に理解する検討を行うため、従来から知られているγカルボキシラーゼ(GGCX)を介する翻訳後蛋白修飾による機序以外の経路に注目し、1)核内ステロイドX受容体(SXR)を介する作用経路と、 2)GGCXおよびSXR経路によらず、プロテインキナーゼA(PKA)のリン酸化修飾により活性する経路について、骨芽細胞系を中心として検討を進めた。ビタミンKは加齢性骨粗鬆症の他、骨量が高くても骨折が起きうるステロイド性骨粗鬆症に対しても治療効果があると考えられていることから、3)として、ビタミンK作用に対比される骨芽細胞系へのグルココルチコイド作用を検討した。 1)として、マウスSXRオルソローグのPXR欠損マウスを用いて、骨密度測定による骨形態観察を行い、PXR欠損マウスでは骨量減少を認めたことから、SXRが骨代謝の調節因子として重要である可能性が示された。 2)として、PKAを介して活性化されるビタミンK経路は、ビタミンKの中でも、ビタミンK2の1つであるMK-4特異的に誘導されることを明らかにし、その一例として、TGF-βファミリー分子のGDFI5とペプチドホルモンSTC2遺伝子の発現増加を示した。 3)として、前立腺癌細胞におけるステロイド受容体のクロマチン免疫沈降のゲノムタイリングアレイ(ChIP-on-chip)データを活用し、骨芽細胞系におけるステロイド標的分子を効率的に同定する手法を確立した。
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