2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによるミネラルコルチコイド受容体のSUMO化とアルドステロン作用調節
Project/Area Number |
19591085
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 洋孝 Keio University, 医学部, 講師 (20245484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
|
Keywords | アルドステロン / ミネラルコルチコイド受容体 / SUMO化 / 脱SUMO化 |
Research Abstract |
メタボリックシンドローム、睡眠時無呼吸症候群、食塩過剰摂取などの病態ではMRの感受性が亢進する結果、血中アルドステロン濃度が正常でもMRの活性化が誘導されて治療抵抗性高血圧を呈することが多い。我々は、MR蛋白がSUMO(small ubiquitin-related modifier)修飾を受けると、MR作用が抑制されることを見いだしており(J.Biol.Chem.282:1998-2010,2007)、SUMO化の調節につき検討した。 1.MRの脱SUMO化と転写活性 MRの中の4カ所のSUMO化モチーフのリジン残基をアルギニンに順次変異させたK1R(K89R),K12R(K89R/K399R),K123R(K89R/K399R/K494R),K1234R(K89R/K399R/K494R/K953R HEK293細)の4種類のMR変異体を用いてレポーターアッセイを行った結果、3xMRE-E1b-Luc,ENaC-Luc活性は、野生型<K1R<K12R<K123R<K1234Rの順に増強された。一方、MMTV-Luc活性は野生型とMR変異体とで差を認めなかった。以上の結果から、MRの脱SUMO化は同じアルドステロン濃度でもMR作用が増強されるが、プロモーター特異性が示された。さらに、野生型MRとMR(K1234R)の各々の安定発現細胞株を樹立して、アルドステロンによる内因性SgkmRNAレベルにつきreal timeRT-PCRにより検討した結果、変異MR発現細胞は野生型MR発現細胞と比べて約4倍の増加を認めたことから、前述の結果が再確認された。 2.アルドステロンによるMRの脱SUMO化 MRとSUMO-1の過剰発現系によるSUMO化MRにアルドステロンを共存させると、MRの著明な脱SUMO化が観察された。アルドステロンによるMRの立体構造の変化およびアルドステロンによる細胞内酸化ストレスの増大が脱SUMO化を誘導したことが示唆された。
|