2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳特異的なアロマターゼ遺伝子発現による脳の性的二型決定機構の解析
Project/Area Number |
19591086
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
本田 伸一郎 Fujita Health University, 医学部, 准教授 (40257639)
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Keywords | ステロイドホルモン / 転写調節 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
脳の性分化に関与するアロマターゼの神経細胞、および時期特異的発現機構を明らかにする目的で、脳特異的プロモーターの解析を行った。マウス・アロマターゼの脳特異的プロモーター内には-100塩基付近にaro-AII、そして-190塩基付近にaro-Bと名付けたシスエレメントが存在する。これらのシスエレメントのうち、aro-AIIサイトにはARP1が結合して転写制御を行っていることを示している。この転写因子がどの様なメカニズムで転写制御を行っているかさらに調べるため、ARP1に相互作用するタンパク質を、酵母ツーハイブリッド法を利用して単離した。その結果、ARP1との相互作用がすでに報告されている転写因子、Ear2の他に、機能未知のタンパク質をコードするクローンが得られ、この未知のクローンを仮にC11と名付けた。Ear2やC11がARP1と相互作用することは、免疫沈降実験を用いて確認した。Ear2はARP1とホモロジーの高いオーファン型の核内レセプターである。ARP1はホモダイマーとしてaro-AIIに結合することができるが、Ear2とヘテロダイマーを形成して作用することで転写活性の制御に関わる可能性も考えられる。このような複数のシスエレメントが、異なる転写因子群を介して、どのようにプロモーター活性を制御しているのかについて解析した。COS7細胞を利用して、アロマターゼの脳特異的プロモーターをレポーターとしたプロモーターアッセイの系において、ARP1およびaro-Bに結合するLhx2などの転写因子とEar2やC11を種々の組み合わせで共発現させ、プロモーター活性への影響を調べたが、少なくとも今回用いた系ではEar2やC11は活性に大きな影響を及ぼさなかった。
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