2007 Fiscal Year Annual Research Report
劇症1型糖尿病の成因解明-モデルマウスを用いた膵島破壊分子の解析
Project/Area Number |
19591087
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
今川 彰久 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (80373108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花房 俊昭 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60164886)
宮川 潤一郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00127721)
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Keywords | 1型糖尿病 / Encephalomyocarditis virus / 免疫染色 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1.劇症1型糖尿病類似病態マウスの確立 Encephalomyocarditis(EMC)virusを疾患感受性マウスに感染させ、急激に糖尿病を発症するインスリン依存型糖尿病モデルにおいて、週齢、ウイルス量を検討した結果、ほぼ100%発症を再現でき、かつ発症までの時間的経過も均質化できることを明らかにした。このマウス膵の経時的な免疫組織化学的検討において、急性期のマクロファージを主体とした膵島炎の所見を明らかにしたが、これはヒトの剖検で得られた劇症1型糖尿病発症時期の組織所見と類似している。したがって、同モデルは劇症1型糖尿病の解析に有用であると考えられた。 2.同モデルの発症時期の遺伝子発現解析 EMC virusは膵島および膵外分泌腺組織にも感染することから、感染後に発現量の変化する遺伝子を明らかにするために、全膵から経時的にRNAを抽出し、マイクロアレイを用いて発現を検討した。膵臓はRNA分解酵素が生体内でもっとも高濃度で存在するため、マイクロアレイによる解析施行に要求される完全な形のRNA抽出は極めて困難とされているが、申請者らは、RNA抽出を確実におこなえるプロトコールを作成し、マイクロアレイを用いた分析により信頼性の高い遺伝子発現データを得ることに成功した。現在、病初期に発現が上昇する特定の遺伝子に由来する分子が、膵β細胞傷害および糖尿病発症にどのように関係するか蛋白レベルで検討している。
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Research Products
(5 results)