2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591099
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤井 雅寛 Niigata University, 医歯学系, 教授 (30183099)
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Keywords | HTLV-1 / ATL / NF-kB / NF-kB2 / CD4 |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(ATL)は極めて悪性な白血病であり、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)に感染したCD4陽性Tリンパ球のクローナルな増殖によって引き起こされる。約5%の感染者が平均60年の潜伏期間を経てATLを発症することから、ウイルス感染細胞中に生じた複数の宿主遺伝子異常が発症に関与している。ATLにおける宿主遺伝子異常については未だ解明されていないが、転写因子NF-kBの異常活性化が発症に深く関与していると考えられている。即ち、全てのATL患者の白血病細胞においてNF-kBは恒常的に活性化し、NF-kBの阻害剤はATL細胞にアポトーシスを誘導する。また、ATLにおけるNF-kBの活性化は単一の遺伝子異常によって起こるのではなく、多様なメカニズムによることが示唆されている。我々はATL由来細胞株から変異型NF-kB2遺伝子(NF-kB2/p58)を分離同定した。NF-kB2/p58は染色体転座を介したNF-kB2とWNK1(WNK lysine deficient protein kinasel)遺伝子との融合遺伝子であり、DNA結合領域であるRel homology domainは残存していたが、抑制領域であるアンキリン領域をすべて欠損していた。野生型NF-kB2とは異なり、NF-kB2/p58は恒常的に核に局在し、NF-kBの標的遺伝子であるNF-kB2自身ならびにRelBの発現を誘導することが示された。さらに、野生型NF-kB2がNF-kBp65の転写活性化能を強く抑制するのに対して、NF-kB2/p58は抑制活性をほとんど示さなかった。以上の結果は、NF-kB2遺伝子変異がATLにおけるNF-kB活性化の1因、引いてはATL発症に関与する事を示唆している。
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Research Products
(14 results)