2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 浩 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (10329401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 潔 京都大学, 医学研究科, 講師 (60343232)
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Keywords | 血液内科学 / 鉄代謝 |
Research Abstract |
本研究は、いわゆる「慢性疾患の貧血(Anemia of Chronic Diseases)」の病態を鉄代謝の面から解明し、治療法への架け橋とすることを目的に行っている。この貧血の原因として鉄のホメオスタシスに関わる肝臓由来のペプチドホルモン、hepcidinの過剰産生・血液中での蓄積が考えられている。 (1)慢性貧血患者等の血清中のhepcidinの測定と病態解析 我々は、定量的LC-MS/マス・スペクトロメトリー法を用いて、さまざまな臨床検体中のhepcidinを測定し、病態との関連を解析した。これまでに、キャッスルマン病で見られる貧血が、IL-6の過剰産生 ⇒hepcidinの高発現を介した、鉄の吸収・利用障害に起因すること、抗IL-6受容体抗体治療により血清中ヘプシジンが24時間以内に低下し、引き続いて鉄代謝の正常化と貧血の改善がみられることを報告した。この結果は、慢性炎症における貧血の治療にIL-6経路の阻害が有望であることを示している。 これまでに、造血細胞移植患者の鉄過剰が予後・合併症に関連することが報告されている。われわれは造血細胞移植前後における造血抑制と鉄代謝異常に関して解析し、血清hepcidin値が移植前から高値であること、移植後1週目にピーク値となること、また、多変量解析で、造血回復期の血清hepcidin値が赤血球造血の指標である網状赤血球数や可溶性トランスフェリン受容体と負の相関があることを示した。これらの結果は、hepcidinの発現が赤血球造血によって負に制御されていることを支持している。 (2)heocidin発現・分泌制御機構の解明 我々はヒトのhepcidin promoterをクローニングし、これを用いてルシフェラーゼ・アッセイを行い、IL-6以外でhepcidinのpromoter活性を変動させる未知の因子を検索し、現在までにいくつか同定している(未発表)。
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[Presentation] Monitoring Of Serum Hepcidin-25 In Multicentric Castleman s Disease Patients Treated With Tocilizumab, An Anti-Interleukin-6 Receptor Antibody2007
Author(s)
Kawabata H, Tomosugi N, Kanda J, Mizumoto C, Tanaka Y, Ichinohe T, Kadowaki N, Ishikawa T, Yoshizaki K and Uchiyama T.
Organizer
49th Annual Meeting of the American Society of Hematology
Place of Presentation
Atranta, Georgia, USA
Year and Date
2007-12-10
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