2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗アポトーシス分子アナモルシンの作用機序と悪性リンパ腫における役割の解明
Project/Area Number |
19591108
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 浩彦 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (60346202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
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Keywords | アナモルシン / トランスジェニックマウス / Bリンパ球 |
Research Abstract |
アナモルシン(AM)は我々の研究室で同定した細胞死に抵抗性を示す新規分子である。悪性リンパ腫の中の、特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において、AMを強く発現している症例が約3%程度みられ、これらの症例は、AMの発現の弱い症例と比較して、治療への反応性が悪く、生命予後が悪いことがわかった。そこで、Bリンパ球におけるAM強発現の生物学的意義を検討する目的にて、AMトランスジェニック(Tg)マウスを作製し、そのフェノタイプを解析した。また、AMTgマウスの脾臓からBリンパ球を純化し、AM高発現Bリンパ球の増殖能について検討した。AMTgマウスは、生後2年経過しても、野生型(WT)マウスと比較し、腫瘍の発生率の増加はみられなかった。また、AMTgマウスの脾臓のサイズはWTマウスと比較して差はみられなかったが、脾臓内のBリンパ球の割合の増加がみられた。また、AMTgマウスとP53ノックアウト(KO)マウスを交配し、AMTg-P53KOマウスを作製したところ、高率に脾臓の増大が認められ、その脾臓から得られた細胞を培養することで、サイトカインなどの刺激因子非存在下で自然増殖する細胞株の樹立に成功した。また、AM高発現Bリンパ球をLPSで刺激した際のシグナル伝達分子(ERK1,2、NF-kB)のリン酸化を調べたところ、WTのBリンパ球と比較してこれらの分子(特にERK1,2)のリン酸化の亢進がみられ、AMは細胞増殖のシグナル伝達分子の活性化に寄与していることが示された。
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Research Products
(2 results)