2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591130
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松本 雅則 Nara Medical University, 医学部, 准教授 (60316081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
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Keywords | TMA / ADAMTS13 / VWF |
Research Abstract |
造血幹細胞移植(SCT)後の合併症として,感染症はコントロール可能となりつつあるが,血栓性微小血管障害症(TMA)や肝中心静脈閉塞症(VOD)などの血栓症は致死的合併症として今も問題となっている。 奈良医大輸血部は、1998年からTMA解析センターとして、全国の医療機関から解析依頼を受け付け、ADAMTS13やvon Willebarand因子(VWF)を中心に解析を行ってきた。集積したTMAの症例数は,平成20年12月末で919例となった。そのうちSCTに合併したTMAは54例あったが、全例でADAMTS13活性は著減していなかった。SCT-TMAの内訳は,骨髄移植22例(血縁2例,非血縁9例,不明11例),末梢血幹細胞移植22例(自家9例,同種13例),臍帯血移植10例であった。 また、TMA死亡例について解析したところ、von Willebarand因子(VWF)抗原が200%を超えることが多く、ADAMTS13活性も低下し、酵素基質比(VWF抗原/ADAMTS13活性)が5(正常1)以上の高度のアンバランスが認められた。VWFマルチマー解析では、高分子から中分子のマルチマーを欠損する症例が存在し,多くの症例でVWFマルチマー異常が確認された。さらに,TMA死亡例のVWFマルチマー解析において正常では認められない低分子のフラグメントが検出された。このフラグメントは,VWFが何らかのプロテアーゼによって切断されたものであるのか,血管内皮細胞障害によって異常な切断部位で切断されたのかは不明であるので,今後切断点の同定を行う予定である。
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Research Products
(10 results)