2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロポート植え込み血友病Aマウスを用いた抗原特異的免疫寛容誘導機序の解明
Project/Area Number |
19591133
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
窓岩 清治 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (70296119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 教授 (00245044)
大森 司 自治医科大学, 医学部, 講師 (70382843)
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Keywords | 血友病A / インヒビター / 免疫寛容 / マイクロポート / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
インヒビター陽性血友病症例に対する第VIII因子の頻回投与により誘導される免疫寛容誘導機序を明らかにすることを目的とし、ヒト第VIII因子感作血友病Aマウスに対する持続的抗原注入システムを構築し、免疫寛容誘導動物モデルの作製とその成立機序について解析を行った。1)経皮経頸静脈的にFr2カテーテルを上大静脈に留置し、背部皮下に埋め込んだマイクロポートを介する間欠的な抗原投与システムとともに、微量注入ポンプを用いた完全自動化持続注入システム(注入速度100microL/24hrでの持続投与)を確立した。2)0.05単位/g体重、5回/週での第VIII因子投与群(連続投与前抗第VIII因子抗体価,1.8±0.4BU/mL)において、連続投与後の抗第VIII因子抗体ピーク値5,621.3±1,115.6BU/mL(暴露回数61.0±13.4回)で、抗第VIII因子抗体力価がピーク値の20%未満となる暴露回数は163.3±26.7回であった。3)IgGサブクラス解析では、IgG1の変動はみられないが、抗体価低下時期においてIgG2aおよびIgG2bの有意な低下がみられた。4)単離リンパ球を用いたin vitro CD4+T細胞増殖試験では、免疫寛容誘導期マウスにおいて有意な増殖活性の低下を認めた。これらのことから、血友病Aマウスに対し持続的抗原暴露システムを導入し、第VIII因子の安全な頻回および連続投与を実現させることにより、免疫寛容誘導マウスモデルの作製が可能であると考えられた。本研究の成果は、臨床的なインヒビター陽性血友病症例における第VIII因子の頻回投与により誘導される免疫寛容誘導機序の解明に繋がるものと考えられる。
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