2007 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ随伴ウイルスベクターの組織特異性と血友病遺伝子治療における有用性の検討
Project/Area Number |
19591134
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
水上 浩明 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (20311938)
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Keywords | 遺伝子治療 / AAVベクター / 組織特異性 / 免疫応答 / トランスジェニックスマウス |
Research Abstract |
骨格筋・肝臓・脂肪組織のそれぞれを標的としたベクター構築を行い、効果及び免疫反応を比較検討した。その結果、骨格筋に対しては1型のベクターにCMVプロモーターを用いた場合が最も良く、肝臓に対しては8型のベクターにhAATプロモーターを用いるのが有効であった。脂肪組織における発現は骨格筋、肝臓に匹敵するレベルには至っておらず、実用化に向けてはより一層の取り組みが必要である。なお、C57BL/6マウスでは、標的組織による免疫応答の違いは明らかでなかった。また、免疫反応に関しては、投与前の中和抗体に関する検討が重要と考えられることから、検出系の感度を向上させるための取り組みを行っている。これまでのところ、検出方法・反応方法などに関する条件を最適化することで、検出感度を大幅に改善させることができた。しかしながら8型,9型などでは未だ充分とはいえず、更に10倍程度の改善が望まれる状況である。これは主に効率よく感染する細胞が見つかっていないことに由来することから、このような細胞株の探索をはじめとする様々な取り組みを行っている。検出感度の改善が一段落したところで、サル及びヒト血清における中和抗体陽性率の測定に着手する予定である。 また、AAVのレセプター分子に関する遺伝子改変マウスに関しては、5型のレセプターとして知られるPDGFレセプターに関して、当該分子のトランスジェニックマウスを開発した徳島大学グループとの間で共同研究を進めている。
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