2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素によるヒト白血病幹細胞の増殖制御機構の解析と治療への応用
Project/Area Number |
19591137
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
木崎 昌弘 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (20161432)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / 活性酸素 / 転写因子 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は活性酸素(ROS)によるヒト白血病幹細胞(LSC)の増殖制御機構を明らかにし、LSCを標的にした新たな治療法を確立することを目的としている。申請者はすでに緑茶成分EGCGがROSを産生し白血病細胞のアポトーシスを誘導することを見いだしている。この際、EGCGはミエロペロキシダーゼ(MPO)を触媒とし、過酸化水素を強力なDNA障害活性を有するヒドロキシラジカルに変換し、白血病細胞のDNAを直接傷害し、アポトーシスを誘導した。また、ROSはdeath receptorであるFasを誘導する活性も有し、セカンドメッセンジャーとしての作用を有することも明らかにした。EGCGはMPO活性を有する骨髄性白血病のみにRosを産生しアポトーシスを誘導した。骨髄性白血病細胞のMPO活性を阻害剤やsiRNAなどの種々の方法で抑制することでEGCGの感受性は低下した。一方、MPOが発現していないK562細胞に対して、MPO cDNAを強制発現させることでEGCGに対する感受性は回復した。したがって、EGCGによる白血病細胞のアポトーシスにMPOは必須であることが明らかになった。今年度はMPO活性と白血病細胞のアポトーシス誘導の臨床的な意義を明らかにするために、急性骨髄性白血病(AML)患者細胞のMPO活性と予後の関係を検討した。AML症例においてはMPO活性と予後は相関し、MPO高発現症例では化学療法剤によるROS産生が充進し、化学療法剤に対する感受性が増強されることを明らかにした。 さらに、白血病患者細胞よりCD34^+CD38^-墨分画を分離精製し、幹細胞としての特性を有することを明らかにした。この分画における細胞は、EGCGに対して感受性を有し、濃度依存性にアポトーシス誘導を介して増殖が抑制された。
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Research Products
(10 results)