2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病におけるDNA修復エラーの分子病態と微少残存病変の制御の研究
Project/Area Number |
19591140
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
田内 哲三 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (80281377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80251304)
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Keywords | BCR-ABL / Auroraキナーゼ / Dasatinib / Srcキナーゼ |
Research Abstract |
【目的】MK-0457はATP競合型のAuroraキナーゼ阻害剤であり、BCR-ABL、Jak-2、Flt-3に対しても阻害効果を有し、T315I BCR-ABL変異を有する症例にも臨床学的が確認されている。本研究ではMK-0457及びDasatinibのT3151 BCR-ABL変異に対する生物活性を明らかにし、Ph陽性白血病への併用療法の有用性を検討した。【結果】1)MK-0457及びDasatinib併用による相乗的増殖抑制効果はT3151発現primary細胞及びT3151 BCR-ABL BaF3細胞で確認されたのに対し、MK-0457及びlmatinibとの併用効果は確認できなかった。2)T3151BCR-ABL BaF3ではMK-0457及びDasatinib併用によりアポトーシス誘導の増強、PARP、Caspase-3,9の活性化の増加が確認された。3)MK-0457及びDasatinib併用によりStat5の脱リン酸化、Bcl-XL、Mcl-1、CyclinD1の発現低下が確認された。4)さらにMK-0457及びDasatinib併用によりT3151BCR-ABL BaF3ではp38MAPキナーゼの活性化、MAPKAPキナーゼー2(MK2)のリン酸化の増加が確認された。5)p38MAPキナーゼsiRNA及びMK2 siRNA前処理を行うとMK-0457によるアポトーシス誘導効果の減弱が確認されたことにより、p38MAKキナーゼ及びMK2はMK-0457のアポトーシス誘導の関与していることが示唆された。6)さらにLyn siRNA、Hck siRNA前処置を行うことによりMK-0457によるアポトーシス誘導効果の増強が確認されたため、Lyn及びHckがMK-0457とDasatinibとの併用効果に関与していることが示唆された。7)in vivoにおけるMK-0457及びDasatinib併用効果についてT3151 BCR-ABL BaF3移植マウスを用いて解析した。コントロール群では骨髄内への白血病細胞侵潤、脾腫を伴ない移植後28日以内に全例死亡したのに対し、MK-0457 30mg/kg b.i.d.ip5日間投与とDasatinib 10mg/kg q.d.po 5日間投与、16日間旧約の投与スケジュールはMK-0457単剤投与と比較してマウス生存期間の延長が確認された。さらにmicroPETスキャンにても白血病細胞残存病変の減少が確認された。【結論】Ph陽性白血病の発症の分子病態の解明及び分子基盤に基づく治療法の開発に関して最も先進的な展開がみられている。MK-0457単剤では限界が見られるため、Dasatinibとの併用はT3151変異型BcR-ABLに対しても有用性があると思われる。
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Research Products
(4 results)