2008 Fiscal Year Annual Research Report
MLL/AF4遺伝子導入白血病モデルマウスの分子病態解析と新規分子標的薬の開発
Project/Area Number |
19591142
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
猪口 孝一 Nippon Medical School, 医学部, 教授 (10203267)
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Keywords | MLL / AF4 / S100A6 / 32D / Hox |
Research Abstract |
我々はMLL転座型白血病の15%前後Flt3遺伝子tyrosine kinase domain(TKD)変異が認められることに注目し、in vitroにて両者の腫瘍化能に関する相乗効果を検討した。 IL3依存性マウス細胞株である32Dcにレンチウイルスを用いてMLL-AF4とFlt3の変異を発現させた。32Dc^<Flt3 TKD>と32Dc^<MLL-AF4>は、semisolid mediaだけでなく液体培地においてもIL3非依存性の自律増殖能を獲得できなかったのに対して、32Dc^<Flt3 TKD+MLL-AF4>はいずれの培地においてもアポトーシスを抑制しIL3非依存性の自律増殖能を獲得することができた。また32Dc^<Flt3 TKD>と32Dc^<MLL-AF4>は、G-CSF添加によりGranlocyteへの分化が認められたが、32Dc^<Flt3 TKD+MLL-AF4>では認められなかった。次にGene Chipによる遺伝子発現profilingを行うと、MLL-AF4の導入によってMLL転座型白血病の主な腫瘍化の機序のひとつとして考えられていたHox遺伝子群の発現亢進は認められなかった。しかしその代わりとしてS100ACalcium binding protein familyの一つで細胞増殖に関与するS100A6が、MLL-AF4とFlt3 TKDの両者の導入によって相乗的に発現を亢進していることがわかった。以上のことからMLL-AF4にFlt3 TKDが加わることによって、相乗的な腫瘍化能や分化抑制能を獲得することを証明できた。またMLL-AF4の腫瘍化の機序としてHox遺伝子群とは異なるS100A6といった新たな候補を示すことが出きた。
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Research Products
(2 results)