2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好中球の活性酸素産生顆粒の細胞内動態を制御するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
19591145
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
瀬口 春道 Kobe Women's University, 家政学部, 教授 (90030866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エバサス ガルシア テル 高知大学, 国際地域連携センター, 助教 (10294828)
松本 衣代 神戸女子大学, 家政学部, 研究員 (70425106)
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Keywords | 活性酸素 / 酵素反応 / 好中球 / ヒト / 血液 / 蛍光発色 / シグナル伝達 / サイトフローメトリー |
Research Abstract |
ヒト好中球は人体に侵入し、感染を引き起こす細菌を殺菌し、先ず第一に生体を防御に働く細胞である。好中球はその細胞質内に、中性染料に染まる特殊顆粒に似た長径0.2μm、短径0.1μmの顆粒を持ち、この顆粒の限界膜は,好中球で活性酸素の産生に関わる酵素、NADPH oxidaseの膜因子であるタンパクp22phox、gp91phoxを有する。一方細胞質内には、その細胞質因子であるタンパクp40phox、p47phox、p67phoxを持つ。好中球がprotein kinase CのアクチベータであるPMA、あるいは走化性オリゴペプドであるfMLPなどで刺激されるか、細菌を貪食するとこれら両因子は癒合し、NADPH oxidseとなり、活性酸素を産生し、この顆粒内に貯蔵される。細菌を貪食していない場合は、この顆粒は好中球の形質膜へ運ばれ、好中球外へ放出分泌される。それゆえ、我々はこの顆粒を分泌顆粒と呼んでいる。一方貪食した細菌がある場合は、この分泌顆粒は貪食胞へ移動し、その限界膜と癒合して食胞内へ活性酸素は放出され、細菌は殺菌されることを我々は明らかとした。今回の研究では栄養素であある、ワイン等に含まれるポリフェノール、お茶等に含まれるカテキン、ビタミンCであるアスコルビン酸、サポニン等が、如何に活性酸素の産生を阻害するかを検索した。健常ヒト末梢血よりヒストパークー・デキストラン沈殿法により、好中球を単離し、それぞれの栄養素を作用させて、産生された活性酸素をH_2DCFDAで蛍光発色させ、分光光度計、およびサイトフローメトリにて濃度を測定した。また、細胞内の蛍光発色している顆粒の分布を蛍光落写顕微鏡にて観察した。 その結果、ポリフェノールを作用させた場合、活性酸素の産生は70%以上阻害され、ついでサポニン、カテキン、アスコルビン酸の順に阻害の程度が低下していた。また、それに比例して、蛍光発色した好中球内の顆粒の数が減少していた。今後、これらの阻害の割合を、サイトフローメトリでより詳細に分析していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Book] グレイ解剖学2007
Author(s)
塩田 浩平、瀬口 春道、大谷 浩、杉本 哲夫
Total Pages
1082
Publisher
エルセビア・ジヤパン