2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好中球の活性酸素産生顆粒の細胞内動態を制御するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
19591145
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
瀬口 春道 Kobe Women's University, 家政学部, 教授 (90030866)
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Keywords | 活性酸素 / 蛍光標識 / ヒト / フローサイトメトリー / 形態計測法 / 好中球 / ポリフェノール / カテキン |
Research Abstract |
ヒト好中球は人体に侵入した感染を惹起する細胞を貪食、殺菌する生態防御の第一線で働く細胞である。好中球は活性酸素を産生する酵素NADPH oxidaseの膜因子であるcytochrome B558(p22phox,gp91phox)をその限界膜に持つ顆粒を細胞質内に有する。好中球をprotein kinase Cの賦活剤であるPMAで刺激すると、cytochrome Cは細胞質因子(p40phox、p47phox、p67phox)と共に、顆粒の限界膜上にNADPH oxidaseを形成し、活性酸素を産生する。この活性酸素により好中球はapoptosisを起こし、膿となると同時に、周囲に活性酸素を放出し、正常の細胞や組織を傷害する。今年度はphoriphenol、catechin、tocopherol(vitaminE)等の抗酸化効果について検索を進めた。方法は健康な成人女性よりインフォームドコンセントの後、静脈血を採取した(神戸女子大学ヒト研究倫理委員会承認H-19-2)。Dextran-Histopaque法により好中球を単離し、PMA刺激により活性酸素を産生させ、この活性酸素を酸化されると蛍光を発するH2DCFDAにて標識し、蛍光顕微鏡で観察、またFlow Cytometryにより活性酸素量を測定した。Polyphenolは活性酸素の産生を97.4%、catechinは36.5%、tocopherolでは61.4%の阻害効果を示すことがFlow cytometryにより明らかとなった。同じく蛍光顕微鏡観察により、蛍光を発する好中球内の顆粒は上記の程度に比例して減少していることが形態計測法により示された。
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Research Products
(5 results)